東京に勤務していたころ、かれこれもう9年前の2005年。
仕事帰りに日比谷シャンテで観たサッカー映画「ベルンの奇蹟」。
1954年のサッカーワールドカップ、スイス大会を背景にしつつ、その時代に生きる人々の表情を切り取ったヒューマンドラマ。
当時のパンフレットが出てきたのでちょっと懐かしく思ってしばらく眺めてしまいました。
元々ヨーロッパの映画が好きで、「ベルリン・天使の詩」とか、ドイツの作品にも印象に残る作品が多くて。
ミニシアターブームの火付け役になった「バグダッド・カフェ」。あれも西ドイツ作品でしたね。
商業的な色合いの強いアメリカ映画ってなんとなく苦手。。。
さて、この映画。当時のドイツは東西に分断され、日本同様第二次世界大戦の敗戦からの復興途上。
戦争から帰還してきた兵士の一家を軸に物語は進みます。
当時を生きていたわけでも、ドイツを訪れたこともない人間がこの映画の全てを理解するのは困難なのかもしれませんが、サッカーがいつの時代にも人々を熱狂させてきたことは十分に伝わってきます。
単純にドイツサッカーの戦果を称賛する作品ではなく、家族をベースにしているからこそ、「ベルンの奇蹟」がまるで自分の国で起きたかのように錯覚してしまう不思議な魅力。
世界中どこを探しても、「サッカーワールドカップ」ほど多くの国の人々をくぎ付けにするイベントは皆無。
ただの丸いボールをゴールに入れる、それだけのことに、時代を越え、国境を越え、ひとつのプレーに感情移入する。
その共感力自体がもうすでに、サッカーの持つ「奇蹟」なのかもしれません。
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