熱戦が続くプロ野球、日本シリーズ。
カープの25年ぶり優勝、そしてDH→リリーフで165km/hの大谷選手。
記憶に残る2016年シーズンの野球界の盛り上がりとともに、コミックでも女性をフィーチャーした野球作品がちらほらとリリースされています。
野球+プラス!(1)
「カープ女子」ブームの火付け役ともいえる「球場ラヴァーズ」作者、石田敦子氏の新作。
オビ文の「スポニチ全面協力!!」でもわかる通り、スポーツ紙の新人女性記者を題材にしたコミック。
スポーツ新聞の記者のお仕事がどのようなものかや、取材に対する心構えなど、読み進めるだけで分かった気になってしまいます。
そして、選手だけでなく、野球に携わる周囲の人々の様々な一面が垣間見られるのは貴重です。
単なる野球漫画と違い、球団関係者、取材関係者、ファン…多くの人たちの関わりがあって野球というものが成り立っているんだな、ということが伝わってきます。
私自身、カープのファンというわけではないのですが、「野球界を支える人々を追う」という裏表紙のテーマは存分に堪能できたような気がします。
放課後バッセン娘!
なかなか珍しい「バッティングセンター」を題材にしたコミックですが、さらに踏み込んで「女の子が昭和の野球選手の真似をする」という企画。
正直こんなニッチなジャンルを描いてくれた作者の矢野稔貴先生には畏敬の念を抱きますw
残念ながらこういった題材ゆえに、読み切り1巻で完結となるのですが、"バッセン"ことバッティングセンターで江川VS掛布をやってみたり、梨田・若松・門田など昭和のプロ野球スターが出るわ出るわ(^-^;
正直、自分自身も(おっさんとはいえ)彼らの全盛期のプレーをリアルタイムで見ていたわけではないのですが、ニュアンスが伝わらなくても彼女たちの表情がいちいち楽しめる芸の細かさが魅力的です。
「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」という番組がありましたけど、ネタ元の人を知らなくてもなんだか笑えてしまったこと、ありませんか?
まぁとにかく、今まで誰も挑戦しなかった領域で大いに荒ぶっておられる今作。従来の野球漫画の右斜め上をいくパンチ力を秘めております。
…って書いたところで小さい頃に見た「がんばれタブチくん」の映画版がまた見たくなってきたのでした(何
2年2組のスタジアムガール (1)
女子野球漫画好きならご存知の「マックミラン」シリーズの作者須賀達郎先生のアクションコミックスでの連載。
野球オタクの女子高生が、実はプロ野球団(横浜にあるあの球団がモデル?)のチアリーダー、というストーリー。
球団公式のチアリーディングチーム「KAGUYA」で活躍する高城スズちゃん、普段は大人しく学校では目立たない女の子ですが、実は大の横浜ファン。
チームの勝ち負けがそのまま自身のテンションやモチベーションに直結する筋金入りのファンでもあり…
周囲を固めるチアの仲間たちも、個性やアクの強さはありつつ、それぞれ魅力的です。
野球に関する造詣が深い作者さんだけに、野球好きなら「うんうんそれある♪」と納得してしまうネタが満載です☆
そして、少年エース2016年12月号では女子野球ものがあらたに連載が始まる予定!?
とある高校の女子野球部。
部員がたった三人しかおらず、廃部寸前なのになぜか前向き?
野球をするようでしないゆるめの野球コメディ開幕───!
『いにんぐ!』茶麻
ひらがな4文字+エクスクラメーションマーク作品ということで、色々とお約束のゆるめな展開になりそうではありますが、女子野球作品には要注目のここ最近、これからも期待を込めて追い続けていきたいと思います(^^)/