さて、女子スポーツ漫画まとめ企画、前回の続きになります。
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【2023年3月 追記】
当記事は2021年3月時点での集計であり、2023年3月版のランキングを動画コンテンツにまとめてこの記事の一番下に記載しました。そちらもご覧ください。
女子スポーツ漫画【10巻以上続いた作品】(2000年以降) Part2
■さよなら私のクラマー(14巻)
著者は元々サッカー好きで、アニメ化された「四月は君の噓」の前の作品で発表した「さよならフットボール」時代から結構注目していたのですが、そこで主人公として登場した恩田希がこの作品にも関わってきます。
4/1発売となる14巻にて完結。作中の蕨青南高校は埼玉県蕨市に存在するという設定で、2016~2021年にわたって少年マガジンにて連載。
4月からはアニメ化も決定しており、純粋な女子サッカーを主題にしたアニメ作品としては初となるだけに期待したいところです。
■バガタウェイ(12巻)
2008年~2015年、コミックブレイドにて連載された女子ラクロスを扱った作品で、タイトルはラクロスの原型となった球技の名称。
登場キャラクターの名前が旧暦の月からとられており、それぞれの誕生月に対応していたり。
単行本のカバーをはずすと、キャラのプロフィール詳細やラクロスのルール説明などがある点もポイント。試合描写も丹念に描かれており、ラクロス漫画として読み応えのある作品でした。
■ロウきゅーぶ!(12巻)
電撃文庫よりライトノベルとして発行されていた(著者:蒼山サグ・イラスト:てぃんくる)作品のコミカライズ。
女子小学生のミニバスが題材で、ラノベでは珍しい本格スポ根と萌え要素を見事に融合させており、「まったく、小学生は最高だぜ!!」のフレーズは後にTシャツとして発売されるのであった…
コミックは本編以外にも4コマ2巻、スピンオフ版3巻も発売されており、またテレビアニメやPSPゲームなど幅広くメディア展開されるなど、図らずも(?)女子バスケ作品の金字塔になってしまった感。
■ダンベル何キロ持てる?(12巻)
執筆時点では11巻ですが、4/12に12巻が発売されるためカウントに含めています。
2016年~裏少年サンデーコミックスにて連載中。「スポーツアニメ」の範疇とは微妙にそれますが、筋トレを扱う作品ということでエントリー。
キャラの癖が強くギャグ要素が強い作風もありますが、身体構造や各筋肉の役割などもしっかりと解説されており、楽しくジム生活が送れそうな予感。
なお、アニメ化された際のオープニングのMVがyoutubeですでに1.5億回再生されており、いろんな意味で「仕上がって」おりますw
参考:
TVアニメ「ダンベル何キロ持てる?」OPテーマ Muscle Video
■もういっぽん!(12巻)
こちらも執筆時点では11巻ですが、4/8に12巻が発売される2018年~少年チャンピオンで連載中の高校女子柔道漫画。
作者の村岡ユウ氏はそれ以前にも「やわらか」「ウチコミ!」など柔道作品を発表していますが、いずれも熱血ものではなく爽やかさを感じさせる作風。
登場人物も個性的で、柔道の描写も丁寧に描かれており、柔らかい絵柄とあいまって独自の世界観を確立。試合部分だけでなく日常の出来事が魅力的なところも好評。
■南鎌倉高校女子自転車部(11巻)
コミックブレイドにて2011年~2018年に連載された女子自転車部漫画。
作者がコミティアで発表していたイラスト集シリーズが原案となっていて、作中に登場する自転車は実在のスポーツサイクルメーカーのモデル。
2015年にはアニメ化し、ブリヂストンなど法人の協力により実物と同名のスポーツサイクルが拝めます。
作品タイトルにもある通り、神奈川県鎌倉市が舞台となっており、コミックやアニメでも実在のスポットが数多く描かれている点も魅力。
■蹴球少女(10巻)
講談社のgood!アフタヌーン創刊時の2008年~2014年まで連載された女子サッカー漫画。
「蹴球少女」のタイトル通り、メインヒロインは1巻の表紙にもなっている藤咲鈴だが、主人公となる優希をはじめ、男子数名も部員であるために実際は男女混合チームとなっていたりする。
「マイぼーる!」同様お色気要素も強く、作中では下着姿なども多数登場しつつ、試合部分ではしっかりとサッカーしており、そのあたりのバランスがうまく融合している印象です。
■はるかなレシーブ(10巻)
まんがタイムきららフォワードにて2015年~2020年連載の女子ビーチバレー漫画。
沖縄を舞台に繰り広げられるビーチバレー物語で、きらら作品らしい萌え系絵柄のスポーツもの。
2人制のビーチバレーのため、お互いパートナーとの関係性・心理描写が主眼となっているため、団体スポーツとはまた違った作風となっています。
アニメ化もされ、作中で登場するビーチ用のバレーボールはミカサの製品ロゴ仕様。
■ろんぐらいだぁす!(10巻)
2012年~Comicrexで連載され、2019年には月刊ブシロードに移籍しつつ現在も連載中の自転車漫画。
タイトル通りいわゆる「ロングライド」をテーマにしており、スポーツというよりもサイクリング・ツーリングが主体。
「南鎌倉高校~」同様、こちらも前身が同人誌だったり、実際のロードバイクが作中に登場したり共通点も。
作中ではツーリング中の困難やトラブル・失敗などを通じて登場ヒロインたちが成長していく過程が丁寧に描かれており、ついつい読者も応援したくなってしまう作品。
■JJM 女子柔道部物語(10巻)
2016年~イブニングで連載中の女子柔道家「恵本裕子」をモデルにした柔道漫画。
作者は「1・2の三四郎」「柔道部物語」を手掛けてきたベテランの小林まこと。
実在の女子選手で、オリンピックで女子初の金メダルを獲得した恵本裕子氏のエピソードを丹念に描いており、原作も本人が手掛けています。
(※作中ではヒロインの名前は『神楽えも』)
元々「柔道部物語」のファンだった恵本氏がSNSで小林まこと氏と連絡を取り、交流が生まれたことで連載につながったとのエピソードも。
次点 ※惜しくも10巻に届かず
■球詠(9巻)
「はるかなレシーブ」と同じきららフォワードで連載中の野球漫画。
現在も連載中のため、10巻突破は確実ですが、発売日はまだ未定のためこの位置。
アニメ化もされ、タイトルの「球詠」はバッテリーの名前にも関係が。
■落花流水(9巻)
弓道部を舞台にした、まんがタイムきららの4コマ。
きらら作品らしく、百合要素も多分に含んだ作風ではあるものの、なんだかんだでしっかりと弓道描写も描かれており、登場キャラも個性的。
なお、作者さんは某ハチナイの同人誌も執筆されており個人的に注目しております。
次点 ※1990年代含む
■競艇少女(14巻)
1996年~2003年にスーパージャンプで連載。
財閥のお嬢様であるヒロイン速水晶が競艇の世界に飛び込むストーリー。
研修所編とプロ編の2部構成で、男社会の競艇界が舞台のため、厳密には女子スポーツではないですが、ライバル女子選手なども登場し物語に華があります。
■ウインドミル(11巻)
1997年~2001年に少年サンデー超増刊で連載の女子ソフトボール漫画。
ボウリングの天才選手広沢滝がソフトボールの世界で花開くストーリー。
埼玉のソフトボール強豪の某高校がモデルになっており、実在の野球選手をモデルにした「鈴木一美」という部員が存在したりも。
様々な作品を紹介してきたわけですが、やはり長く続いた作品に共通するのは、ストーリーが共感しやすいことと、登場人物が魅力的なこと、ではないかと思います。
女子スポーツというものがどうしても男子スポーツと比較されがちになりますが、女子だからこその繊細さや可憐さが垣間見えると、魅力がいっそう輝くのではないでしょうか。
男子スポーツが「剛」なら、女子スポーツは「柔」。
『柔よく剛を制す』という言葉もあるように、女子スポーツにしかない長所を描くことで、「SLUM DUNK」や「MAJOR」を超えるようなスポーツ漫画の金字塔だってきっと夢ではないと思っています!
「2023年3月時点」のランキングはこちら。
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