現在放送中の今期春アニメの女子スポーツもの2作品「バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!」と「さよなら私のクラマー」ですが、実は共通点があります。
主題曲を担当する2人のアーティスト諏訪ななかさんと、小林愛香さんは、『ラブライブ!サンシャイン!!』のユニットAqoursのメンバー。
これは、私は偶然ではなく、「ラブライブ!」と「スポーツもの」の相性が抜群だからだと考えております。
「ラブライブ!」シリーズとは、歴代アニメDVDの中でもTOP3の売上を誇るモンスターコンテンツ。
女子高生たちがスクールアイドル活動を行い、廃校の危機に瀕した学園を守るために奮闘する作品です。
【参考:歴代アニメDVD売り上げベスト20】
※画像はao-bara.comさんより引用。
作中に登場するスクールアイドルを担当する声優さんが、実際のアニメ映像とリンクする形でライブパフォーマンスを行うことでも話題を集め、μ'sやAqoursは紅白歌合戦にも出場するなど、社会現象ともいえるムーブメントを引き起こしました。
よくあるハーレムものではない
ラブライブ!シリーズは女子高生アイドルものということで良く誤解される部分ではあるのですが、いわゆる男主人公が女子にモテまくるハーレム作品ではありません。
男性を作中に登場させず、あくまで「青春部活もの」という形を採用したことで、幅広い世代に支持されたともいえると考えています。
ヒロインたちが頑張り、成長する姿を一緒に応援し、ファンと作り上げる世界は、ともすればプロ野球やJリーグのようなスポーツ観戦にも似た一体感をもたらしてくれたのではないでしょうか。
実際、ラブライブ!サンシャイン!!の舞台となった沼津市にあるJリーグチーム、「アスルクラロ沼津」ではコラボも行われていたりとか。
ラブライブ!のアプリ「スクフェス」では野球ユニフォームのカードが実装されたりとか。
こうしてみると、「アイドルもの」というイメージのラブライブ!シリーズも、実は結構スポーツとの相性が良いということが言えると思います。
出演キャストさんの過去作にスポーツものが多い
ラブライブ!シリーズの3作目、「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」のキャストさんの過去出演作品に注目してみると、スポーツ系作品との関りが見えてきたりもします。
- 前田佳織里さん(桜坂しずく役)=『球詠』武田詠深、『ウマ娘 プリティダービー』ナイスネイチャ、『バドミントンガールズ』名取茉莉愛
- 鬼頭明里さん(近江彼方役)=『はるかなレシーブ』棚原愛衣、『Fit Boxing2』"鬼インストラクター"カレン、『Fever Dunk』柊青依
- 相良茉優さん(中須かすみ役)=『プラオレ!』水沢彩佳
- 楠木ともりさん(優木せつ菜役)=『八月のシンデレラナイン』小鳥遊柚、『アニマエール!』舘島虎徹
スポーツもの女子を演じるということは、元気で活発な部分が少なからず存在するということもあって、「青春部活もの」ラブライブ!シリーズとの親和性が高いといえるかもしれません。
(もちろん、今日では「スポーツ少女=快活」というステレオタイプ的な見方は必ずしも当てはまらないのは言うまでもないですが)
ただ、群雄割拠のアイドル作品乱立する現在にあっても、これほどまでにラブライブ!シリーズがヒットした要因のひとつとして、一般的な美少女作品とは一線を画す「爽やか部活もの」的要素が挙げられるのは間違いないでしょう。
敢えて恋愛要素や男主人公というこれまでの美少女ものの定型を排除し、「団結」「チームワーク」あるいは「汗と涙」「スポ根」要素を取り入れたことが、ラブライブ!シリーズのブランド力を強く印象付けていると思うのです。
先が不透明な現代の世の中。
「努力したって報われない」という厭世観や、若者が希望を見出しにくい困難な時代。
いわゆるスポーツ根性ものは廃れたかと思いきや、実はこうした爽やかでまっすぐな青春を扱った作品であっても、アニメファンの心にもしっかりとその精神は根付いていた、そんな気がするのです。
様々な課題に直面しても、諦めず夢を追い続けるアイドルたちの姿に、私は希望を見出しましたし、これからも彼女たちスクールアイドルとともに、成長していきたいという気持ちにさせられた作品、それが「ラブライブ!」シリーズなのでした。