Winning Heroine

日本唯一(たぶん)の女子スポーツ漫画・アニメ特化blog。

ビーチバレー×旅女子!

世の中には数多くのスポーツがありますが、その中でも「砂の上」でプレイする競技はそれほど多くはありません。

ただ近年は、ビーチサッカー、サンドボードなどのスポーツも徐々にですが広がってきていますし、砂浜などで足腰を鍛えるトレーニングなどを取り入れるスポーツ選手も増えてきたように思います。

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そんな砂浜の競技の代表格といえば、そう「ビーチバレー」。
オリンピックの正式競技にも採用され、プロの大会も開催されるなど、日本でも知名度はあると思いますが、なかなか実際の試合を観戦したことのある方は少ないでしょう。

そんな「ビーチバレー」を題材にしたコミックですが、過去には『ビーチスターズ』そしてアニメ化もした『はるかなレシーブ』などが出版されています。

 「はるかなレシーブ」はアニメ化も実現。

今回のエントリは、そんなビーチバレー漫画に新しい風を吹き込む作品を紹介。

その名も『ビーチジャーニー』。

natalie.mu昨日5月10日に単行本1・2巻が同時発売されました。

元インドアバレー選手・アテナと訳ありビーチバレー選手・渚。女2人が
車&キャンプ生活でビーチバレーで稼いで世界を巡る!?ビーチバレー×
社会人バディ×世界ツアー!東京オリンピックにぶつけて2冊同時刊行!

海外を拠点に車中泊しつつビーチバレーツアーを転戦する二人の女子がヒロイン。急造ペアのため、なかなか勝利にも恵まれず、稼ぎが少ないために貧乏生活を余儀なくされる二人ですが、試合中にモメることもしばしば。

しかし、やはり海外に打って出ていくバイタリティーの持ち主だけに、ヘコむことはあっても立ち直りが早いw

ビーチバレーの奥深さ

ビーチバレーのインドアとの最大の違いは、やはり「屋外」であることです。
まず、砂浜では想像以上に足を取られるため、通常よりも動きが大幅に制限されます。

片面8m×8mもある広さのコートにたった2人。
フェイントは禁止で、ブロックのワンタッチはインドアと異なりプレーにカウントされます。

また、風や太陽光の影響を受けやすいこともあり、両チームの点数の合計が7の倍数になるとコートチェンジが行われます。

選手が2人ずつしかいないため、チーム間の「駆け引き」がインドアに比べて非常に重要で、いわゆる「穴」がある選手がいると、そちらが集中的に攻撃されたりすることもあり、プレーヤーには総合力が求められます。

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コミックでも描かれますが、日本人はやはり欧米系の選手に比べると、どうしても上背で劣ることが多いため、作戦の組み立てやスピードでカバーしないといけません。

二人のヒロインが、困難な状況からどのように打開していくのか、そのあたりも非常に見どころとなっています。

また、前回のエントリで「グルメ×スポーツ」漫画を紹介しましたが、こちらの作品も「ジャーニー」がテーマとなっており、世界各地の美味しい食べ物が描かれていて、目で味わう楽しさも魅力の一つになっています♪

ビーチの桃色妖精

そんな『ビーチジャーニー』が掲載されている少年画報社の「ヤングキング」11号表紙ですが、今回は【新・ビーチの妖精】こと人気ビーチバレー選手の《坂口佳穗》選手!

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ヤングキング11号

beach.jva.or.jp宮崎県出身の172cm、25歳の《坂口選手》は国内でもトップクラスの人気を誇る選手で、雑誌の表紙などにも数多く掲載されてきました。

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人気先行と言われたこともありましたが、2018年のジャパンツアーでは初優勝を飾るなど、アスリートとしての実力を一歩ずつ積み上げてきた努力の人でもあります。

wpb.shueisha.co.jp一方で、人気選手ゆえの問題も抱えています。

性的画像「嫌なことは嫌」ビーチバレー坂口佳穗が語る - 東京五輪・パラリンピック300回連載 - 五輪コラム : 日刊スポーツ

女子アスリートを応援する当blogとしても、選手に対するリスペクトを持ちつつ、魅力を伝えていかなければならないと考えています。

「美少女×スポーツ」というテーマを扱うにあたって、どうしても「フェティッシュ」なものを連想されてしまう難しさはあるのですが(それを否定するつもりはありません)、外面的な部分だけではなく、内面からあふれる健康美や、真摯に競技に向き合う姿勢など、総合的な魅力をお伝えしたいと思っています。

www3.nhk.or.jp特に実在の選手を紹介する際は、選手が不快にならないような表現・紹介のあり方を模索しつつ、これからも女子スポーツの世界を追いかけていきたいところです。

外向き志向!

ビーチジャーニー 1 (1巻) (ヤングキングコミックス)

ビーチジャーニー 1 (1巻) (ヤングキングコミックス)

  • 作者:中馬 孝博
  • 発売日: 2021/05/10
  • メディア: コミック
 

ビーチジャーニー』に話を戻しますが、この漫画の見どころは、スポーツとしての側面だけでなく「世界旅行」という一面があるという点。

日本は環境が恵まれているため、なかなか海外に出て修行をするというアスリートは少ないのが実情です。ましてや、何の実績もない選手が世界に出ていくというのはタフなメンタリティがないと難しいでしょう。

ただ、世界を見渡してみると、スポーツの世界で結果を出すには「ハングリー精神」が求められます。
この作品のヒロイン二人も、幼少期からエリート教育を受けたわけでもない、アスリートとしては崖っぷちにいる状態ですが、その中でも希望は捨てていません。

現代社会、特に若い人たちは「内向き志向」が強いと言われます。
海外に留学したり、外から学ぼうという姿勢が、以前に比べると貪欲でなくなっているように思います。

時代情勢も、いわゆる「自国中心主義」が広がり、外から良いものを取り入れようという動きが少なくなっている傾向があります。

それでも、やはり世界を知るということは「視野を広げる」ということに繋がります。
野茂選手が海を渡ってMLBに行ったように。中田選手がセリエAで活躍したように。
もし、彼らが世界に打って出なければ、日本のスポーツはどうなっていたでしょうか。

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ビーチジャーニーのヒロイン二人組も、世界に出て行ってコテンパンにやられたりするのですが、そこではじめて「自分の実力を知る」こととなります。

"井の中の蛙、大海を知らず"とは言いますが、外の世界の価値観を知ることで、自分たちの社会の常識を疑うことができるし、自分の国の良い部分に気づいたりすることもできると思うのです。

「ビーチ」と「ジャーニー」。そこから得られるパワーを源に、二人のエネルギッシュな魅力があふれるこの作品。
コロナ禍でおうち時間が増えた今こそ、大切にしたくなるものがいっぱいです!