「週刊現代」にて連載中の女子ゴルフ漫画「人生はバウンスバック」の単行本が4月23日に発売となりました。
単行本のタイトルは「バウンスバック」に変更されておりますが、このタイトルにもある『バウンスバック』とは一体なんぞや??と思われている方も多いことでしょう。
ゴルフというスポーツは、一回のスイングの重みがゲームの中でも非常に大きく、1打のミスが何十万円もの損失を生むことがあります。
1打ミスすることで、場合によっては一千万円以上利益を遺失してしまうケースもあり得るのです。
(2020年のアース・モンダミンカップでは、優勝者と2位の賞金差額は2,200万円もありました)
漫画「バウンスバック」の舞台は女子プロゴルフ。
新人プロゴルファーの「日向みよこ」が、世界に羽ばたくゴルファーへと成長していくストーリーです。
ビジュアルにもあらわされていますが、ヒロインの名前「ひなたみよこ」→「ひよこ」が彼女の使うボールに描かれており、ひよこが大きく成長していくというストーリーを予感させます。
さて、ヒロインの名前「日向」を見て「おや?」と思われた方はゴルフ通。
そう、2019年に全英女子オープンを制して一躍注目された「スマイルシンデレラ」こと渋野日向子選手を意識していると思われます。
バウンスバックとは?
ボギーやダブルボギーなど、悪いスコアで上がった直後のホールでバーディ以上のスコアを出すこと。これをバウンスバックと呼ぶ。
この確率が高い選手は精神力が強く、ドラマチックなゴルファーとして賞賛される。渋野日向子やタイガー・ウッズはバウンスバック率が非常に高い。
ゴルフは基本的に相手との闘いというより、自分と向き合いながら行うスポーツの側面が強く、メンタルが重要です。
ミスを引きずってしまい、ボギーを一度打ってしまうと負の連鎖にはまってしまう選手も多く見受けられますが、ミスをしても切り替えて次のショットで挽回できる「リベンジ力」のあるタフな選手が生き残っていく傾向が強いです。
どんなに優れた選手であっても、試合の中で必ずミスというものは出てきます。
「ミスをしない」ということよりも、むしろ「ミスをした後にどう挽回するか」という思考が社会でも重要なのではないでしょうか。
勢いのある若手が強い!
さて、近年の女子プロゴルフですが、日本の最高峰ツアーであるJLPGAにおいては、1998年度生まれの黄金世代(渋野日向子選手も!)や、2000年度生まれのプラチナ世代など、若手選手たちの台頭が非常に顕著です。
2021年はすでにここまで7試合が終わっていますが、そのうち実に6試合の優勝が1998年以降に生まれた若手選手です。
ゴルフは基本的に経験がものをいうスポーツですが、近年のツアーは試合数の増加やコースの距離が伸びた結果、経験だけでなく体力や「決断力」も求められるようになってきました。
ベテランが伸び悩む要因として、「過去の成功体験」に引きずられるあまり、考えすぎて決断力が鈍ってしまったり、変化に対応できなかったりすることが挙げられるような気がします。
このあたり、まるでバブル時代を引きずり閉塞感にあえぐ日本社会の縮図そのものを見ているようです。
最近のニュースを見ていても、人の失敗やミスを必要以上に叩いたりあげつらったりする「不寛容さ」が日本社会では特に目立ちます。
けれども、そんな周囲の喧騒など「どこ吹く風」、ミスしてもそれを笑い飛ばせる大らかさや寛容さを持つ「バウンスバック女子」が、最終的には日本社会に、いや世界中に良い結果をもたらしてくれるはずです!