日本のスポーツ漫画の中においても、最も作品化されているジャンルではないかと思われるのが「野球漫画」ではないでしょうか。
古くは「巨人の星」「ドカベン」「タッチ」、また近年では「MAJOR」など、名作は数知れず。
しかしながら、「野球」という単語に『草』という一文字がつくことで、何故か世間では日陰者のような扱いを受けてしまう『草野球』。
所詮は素人がお遊びでプレーするようなものという先入観を抱いてはいないでしょうか？
しかし、ごく普通の、どこにでもいそうな一般の人たちがプレーするからこそ紡げるドラマが、草野球にあるのではないでしょうか。
今回は「草野球×女子」という世にも珍しい題材をコミックとして世に届けてくれた作品を紹介します。
平日はOL、休日はスーパー野球女子
先日3月23日に講談社のイブニング連載中の作品「松井さんはスーパー・ルーキー」 の1巻が発売となりました。
平日はOL、休日はスーパー野球女子！「松井さんはスーパー・ルーキー」1巻 - コミックナタリー
表紙の凛々しいユニフォーム姿のヒロインが、今作に登場するヒロインの松井さん。
作者の詠里先生は以前もイブニングにて、男子硬式野球部で孤軍奮闘する女子高生を描いた「フジマルッ！」を連載されていましたが、今回は草野球という思い切ったステージに挑戦。*1
普段は普通にOLとして働きつつ、地図が読めなくて迷ってしまったり、お酒を飲むとへべれけになってしまったりするトホホな面もあるのですが…
とある男子草野球チームの面子が足りないからと、補充で参加した試合やってきたのはまさかの松井さんという女性。（勘違いで男性と思われていた）
チームのメンバーは戸惑うのですが、そんな周囲の心配をよそに松井さんは大活躍。
5番 長嶋 6番 松井！ ドチャクソ打ちそう！
作中のセリフでもネタにされていますが、某プロ野球団で活躍した往年の名選手を彷彿とさせますね（笑
ちなみにコミックスの表紙だと右打者っぽく見えるのですが、作中ではあの"松井選手"同様左打席に立っています。
脇を固める草野球チームのメンバーも個性的ですし、何よりほかの野球漫画に比べると日常の描写が多いこともポイントです。
試合で見せる一面と、普段の生活における生態(?)のギャップも楽しめる作品。
"草野球×女子"という新しい切り口を見せてくれた今作をきっかけに、リアル草野球女子がブームになったりしたら面白いな…などと妄想を膨らませつつ、今後の展開に期待したくなる私なのでした。
*1:挨拶欄で触れられていますが、作者さんは草野球を題材にするのは今回がはじめてだそう
